物語の心情と変化
気持ちの手がかり・会話文の読み方(言い方・「……」・言いかけてやめる・本心と反対のことば)・出来事→受け止め→気持ち・心情の変化ときっかけ・心情の記述
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この教材でできるようになること
- 気持ちの 手がかり(気持ちを表すことば・行動や体のようす・会話文や心の中のことば・情景)を見つけ、もとになる文 を指し示せる
- 出来事→受け止め→気持ち のつながりで、気持ちや行動の理由を説明できる
- 気持ちをえらぶ問題で、答えを 本文の文 とくらべて選び、ほかの答えのまちがい(本文にない・本文と反対・場面ちがい・言いすぎなど)を説明できる
- はじめと終わりの気持ちをくらべ、心情の変化 と きっかけ をとらえられる
- 聞かれ方(どんな気持ち・なぜ・どう変わった)に合った型で 心情を記述 し、採点の基準にそって書き直せる
レッスンの内容
レッスン1 気持ちはどこに書いてある?
気持ちのことば・行動・会話文(言い方・「……」)・情景
めやす20分
レッスン2 出来事→受け止め→気持ち
気持ちと行動の理由・気持ちのえらび方
めやす20分
レッスン3 心情の変化ときっかけ
はじめと終わりをくらべる
めやす15分
レッスン4 記述で心情を説明する
出来事・受け止め・気持ち/3つの型
めやす20分
例題を1問やってみよう
説明用の物語「にじんだ絵」
図工の時間、わたしは、家の近くを流れる川の絵をかいていた。あと少しで仕上がるというとき、筆をあらう水の入ったバケツに、ひじが当たった。水がこぼれて、画用紙の右半分に広がり、青と緑の絵の具が、ぼんやりとにじんでしまった。
「どうしよう……。」一時間かけてかいた絵が、たった一しゅんでだめになってしまった。くやしくて、なみだが出そうだった。わたしはうつむいたまま、しばらく動けなかった。まどの外では、朝からの雨が、まだしとしととふり続いていた。
そのとき、となりの席のはるかが、わたしの絵をのぞきこんだ。「わあ、このにじんだところ、雨の日の川みたい。本物の水が流れているように見えるよ。」わたしは顔を上げて、もう一度、画用紙を見た。言われてみると、にじんだ青は、雨にけむる川の水面のように見えた。「ほんとうだ……。」と、わたしは小さくつぶやいた。
わたしは細い筆を取り、にじんだところに、雨のしずくを一つずつかき足していった。チャイムが鳴るころには、絵は「雨の日の川」になっていた。わたしは、その絵を少し高く持ち上げて、はるかに見せた。むねの中が、ぽっとあたたかくなった。ふと見ると、まどの外の雨は、いつのまにか小やみになっていた。
この教材のために書いたオリジナルの文章です。
「にじんだ絵」の第3・第4段落の次の文は、「わたし」の気持ちの手がかりのうち、どれにあたりますか。それぞれ選びなさい。
①「『ほんとうだ……。』と、わたしは小さくつぶやいた。」
- ア気持ちを表すことば
- イ行動・体のようす
- ウ会話文・心の中のことば
- エ情景(景色・天気・音)
②「わたしは、その絵を少し高く持ち上げて、はるかに見せた。」
- ア気持ちを表すことば
- イ行動・体のようす
- ウ会話文・心の中のことば
- エ情景(景色・天気・音)
③「むねの中が、ぽっとあたたかくなった。」
- ア気持ちを表すことば
- イ行動・体のようす
- ウ会話文・心の中のことば
- エ情景(景色・天気・音)
④「ふと見ると、まどの外の雨は、いつのまにか小やみになっていた。」
- ア気持ちを表すことば
- イ行動・体のようす
- ウ会話文・心の中のことば
- エ情景(景色・天気・音)
答えと解き方を見る
答え ① ウ 会話文・心の中のことば ② イ 行動・体のようす ③ イ 行動・体のようす ④ エ 情景(景色・天気・音)
わかっていること 気持ちの手がかりは4つ:気持ちを表すことば/行動・体のようす(体の感じもふくむ)/会話文・心の中のことば/情景(景色・天気・音)。
考え方 手がかりの種類が分かると、「うれしい」と書かれていない文からも、気持ちを読み取れる。①は「」のことば、②は体の動き、③は「むねの中が…あたたかく」という体の感じ、④は天気(景色)。どれも、はるかのことばのあとの、明るくなった気持ちを表している。
- 「」がついている→会話文・心の中のことば(①)
- 人物の体の動き→行動・体のようす(②)
- 体の中の感じ(むねがあたたかい・体が軽いなど)→これも行動・体のようす(③)
- 天気・景色・音→情景(④)
たしかめ 4つの文が、どれも「うれしい・明るい」という同じ向きの気持ちを表していて、たがいに合っているか。
よくあるまちがい
② 情景だけ で決めつける(雨=かなしい、とはかぎらない。気持ちのことばや行動と合うかをたしかめる)。
③「うつむいた」を「下を見た」と読んで終わり、気持ちに言いかえない。
「……」を読みとばす(ことばにつまった「間」にも、まよい・とまどい・むねがいっぱいの気持ちが出る)。
②きっかけに、気持ちが変わった あと の出来事を選ぶ(「雨が小やみになった」はきっかけではない)。
③きっかけを、本文にない出来事にする。
② 本文にない出来事 を書く(「先生にほめられたから」)→出来事と受け止めの点は入らない。
③出来事と気持ちだけで、受け止め がない→なぜその気持ちになったのかが弱い。
④問いに合わない文末(「なぜ」には「〜から。」、「どんな気持ち」には「〜気持ち。」)。
教材のつくり
説明と例題 → 手助けつき(3段階のヒント)→ 自力 → 確認テスト → 数日あとにもう一度、の順で身につけます。まちがえたときは「どこでつまずいたか」を聞き返します。
| 段階 | 問題数 |
|---|---|
| 手助けつき練習 | 8問 |
| 自力の練習 | 13問 |
| 応用 | 4問 |
| 確認テストA | 5問 |
| 確認テストB | 5問 |
| 後日の確認 | 6問 |
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先に学ぶとよい教材:指示語・接続語のはたらき
先に学ぶとよい教材:気持ちを表すことば(うれしい・くやしい・心配・ほっとするなど)
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次に学ぶ教材:物語の人物像と主題(この教材のあとに学ぶ内容)
出典・この教材の範囲
この教材では、短い物語(約510〜770字)を使って、気持ちの手がかり・気持ちと行動の理由・心情の変化・心情の記述をあつかいます。人物像・主題・比喩や象徴などの表現の読み取りは、この教材ではあつかいません。