公民⑤現代社会の課題(環境・災害・エネルギー・食料・AI・グローバル化・国際紛争)
現代社会の課題を「原因→影響→対策」で考える:環境問題とSDGs・エネルギーの4つの見方・災害とハザードマップ・食料問題とフードマイレージ・グローバル化・AIと情報の見きわめ・国際紛争と核兵器の条約
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この教材でできるようになること
- 酸性雨・オゾン層の破壊・砂漠化・熱帯林の減少・海洋プラスチックごみ を「原因→起こること→対策」で説明し、SDGs の目標と結びつけられる
- 発電の方法を「安全・安定供給・経済性・環境」の4つの見方でくらべ、よい点と課題を説明できる
- 日本に 災害が多い理由(プレート・火山・台風・梅雨)とおもな災害を説明し、防災と減災 のちがいを言える
- ハザードマップ から、災害の種類に合った安全な避難先を判断できる
- 食料の輸入・食品ロス・世界の飢餓 を説明し、フードマイレージ を計算してくらべられる
- グローバル化(貿易・国際分業・人の移動)のよい面と課題を、立場のちがいもふくめて説明できる
- AI の便利さと課題を説明し、情報を見きわめる(発信元・日付・くらべる・事実と意見)ことができる
- 国際紛争 の原因の考え方、難民、核兵器に関する条約(1963・1968・1996・2017年)、国際連合の役わり を説明できる
レッスンの内容
レッスン1 地球環境とエネルギー
酸性雨・オゾン層・砂漠化・熱帯林・海洋プラスチック/SDGsのつながり/発電を「安全・安定供給・経済性・環境」でくらべる
めやす24分
レッスン2 災害と防災・減災
4つのプレートと台風・梅雨/1923関東大震災・1959伊勢湾台風・1995阪神・淡路・2011東日本/防災と減災/ハザードマップ
めやす22分
レッスン3 食料とグローバル化
米と小麦・大豆の輸入/食品ロスと飢餓/フードマイレージと地産地消/貿易・国際分業・産業の空洞化・多文化共生
めやす22分
レッスン4 AI・情報社会と国際紛争
AIの便利さと課題/情報の4つのチェック/紛争の原因は重なる/難民1億人/核兵器の条約(1963・1968・1996・2017)
めやす24分
例題を1問やってみよう
資料 エネルギーをくらべる4つの見方
| 見方 | 考える こと |
|---|---|
| 安全 | 事故や 災害の ときの 危険を おさえられるか |
| 安定供給 | 必要な ときに 必要な だけ 電気を 届けられるか。燃料を 安定して 手に 入れられるか |
| 経済性 | 発電の 費用が 高すぎないか |
| 環境 | 二酸化炭素などを どれだけ 出すか |
| 発電の 方法 | よい点 | 課題 |
|---|---|---|
| 火力 (石炭・ 石油・ 天然ガス) | 発電量を 調整しやすく、安定して 発電できる | 燃料の ほとんどを 輸入に たよる。二酸化炭素を 多く 出す |
| 原子力 | 発電の ときに 二酸化炭素を ほとんど 出さない。少ない 燃料で 多くの 電気を つくれる | 事故が 起きると 被害が 大きく、長く 続く(2011年 福島第一原子力発電所の 事故)。放射性廃棄物の 最終処分の 場所が 決まって いない |
| 太陽光・ 風力 | 燃料が いらず、国内の 自然の 力で 発電できる。二酸化炭素を 出さない | 天候や 時間で 発電量が 変わる。広い 土地が 必要 |
| 水力 | 二酸化炭素を 出さない。安定して 発電できる | 大きな ダムを つくれる 場所が 少ない |
| 地熱 | 天候に 左右されず 安定して 発電できる。二酸化炭素を ほとんど 出さない | 適した 場所が 国立公園や 温泉地に 多い |
最終処分の場所は2026年時点で決まっていない。原子力発電をどうするかには、さまざまな意見がある。発電の割合などの数は地理⑤であつかう。
資料を見て答えよう。
①太陽光発電の「天候や時間で発電量が変わる」という課題は、4つの見方のどれにかかわる?
- ア安定供給
- イ安全
- ウ経済性
②火力発電の課題のうち、「環境」の見方にあたるものは?
- ア二酸化炭素を多く出す
- イ燃料のほとんどを輸入にたよる
- ウ発電量を調整しやすい
③資料の表から言えることとして正しいものは?
- ア火力発電にはよい点がない
- イ再生可能エネルギーには課題がない
- ウどの発電方法にもよい点と課題があり、4つの見方をすべてみたす方法はない
答えと解き方を見る
答え ① ア 安定供給 ② ア 二酸化炭素を多く出す ③ ウ どの発電方法にもよい点と課題があり、4つの見方をすべてみたす方法はない
わかっていること 4つの見方=安全・安定供給・経済性・環境。表の「よい点」「課題」の列を見る。
考え方 課題が どの見方にかかわるか を考えると、ちがう発電方法を同じものさしでくらべられる。天候で変わる→必要なときに届けられない→ 安定供給。二酸化炭素→ 環境。
- ①天候で発電量が変わる→必要なときに届けられない→安定供給
- ②火力の課題は2つ:輸入にたよる(安定供給)と二酸化炭素(環境)。「調整しやすい」はよい点
- ③どの行にも「よい点」と「課題」が両方ある
たしかめ 燃料を輸入にたよることは、「環境」ではなく「安定供給」の課題。
よくあるまちがい
また、「燃料を輸入にたよる」を 環境 の課題と考えてしまうことも。燃料が手に入るかどうかは 安定供給 の見方です。
また、フードマイレージの計算で、重さがちがうのに きょりだけ でくらべていないか確かめよう。
「部分的」(地下以外)と「包括的」(すべて)のちがいにも注意しよう。
教材のつくり
説明と例題 → 手助けつき(3段階のヒント)→ 自力 → 確認テスト → 数日あとにもう一度、の順で身につけます。まちがえたときは「どこでつまずいたか」を聞き返します。
| 段階 | 問題数 |
|---|---|
| 手助けつき練習 | 7問 |
| 自力の練習 | 9問 |
| 応用 | 5問 |
| 確認テストA | 6問 |
| 確認テストB | 6問 |
| 後日の確認 | 6問 |
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出典・この教材の範囲
この教材は「課題と考え方(原因→影響→対策、よい面と課題)」を中心にします。国際連合のしくみ・SDGsのきほん・温暖化の取り決めは公民④、エネルギーの統計(輸入先・自給率・電源構成)は地理⑤、食料自給率のうつりかわりは地理(日本の農業)であつかいます。原子力発電や核兵器禁止条約への参加など意見が分かれることは、どちらが正しいかではなく、事実とそれぞれの見方をおさえることを大切にしています。個別の紛争のくわしい経過や、どちらが正しいかの判断はあつかいません。数(食料自給率37%・2025年度の概算、食品ロスおよそ470万トン・2022年度、飢餓およそ7億人・2020年代の国連の推計、難民など1億人・2022年のUNHCRの発表)はめやすで、年によって変わります。条約の発効・参加のようすは2026年時点です。ハザードマップとフードマイレージの数は、この教材のために作った例です。